リチウム材料事業

リチウムイオン電池材料事業のご紹介

当社では、各材料の物理的および電子的特性に基づいて製品群を分類し、最適化された製造プロセスと商業戦略を通じて市場に供給しています。主な製品群には人工黒鉛、天然黒鉛、新型素材、シリコンベースの負極材料、リチウムイオン電池用セパレーター、リチウムイオン電池用アルミニウム箔があり、これらは一部自社で製造・販売を行い、他社からの調達も併用しながら、様々な業界のニーズに応えています。

製造技術と品質管理の重要性

当社は、各製品群の物理的特性を最大限に活かすため、精緻な製造技術を採用しています。特に製造工程における品質管理は、最終製品の性能に直結するため、均一な品質を維持しながら高精度な製品を安定供給することに注力しています。また、市場の需要予測に基づき、柔軟で効率的な供給体制を確立し、製品のライフサイクルに応じた調達戦略を策定・実行しています。

製品群の紹介

人工黒鉛

人工黒鉛(じんこうこくえん)は、人工的に製造された黒鉛(グラファイト)で、主に炭素からなる材料です。天然の黒鉛とは異なり、人工黒鉛は特定の製造プロセスを経て作られます。このプロセスでは、通常、炭素源(例えば石油コークスやピッチなど)を高温で処理して、結晶構造を形成させることによって作られます。

人工黒鉛の特徴と製造方法
  1. 特徴 高い導電性: 黒鉛は非常に高い電気伝導性を持ち、電子機器や電池の電極材料として広く使用されます。
    高い耐熱性: 高温下でも安定しており、耐熱性に優れています。
    化学的安定性: 酸やアルカリなどの化学薬品に対しても安定しています。
    硬さと脆さ: 黒鉛は摩擦に強く、すべりやすい特性を持っていますが、もろくて割れやすい一面もあります。
  2. 製造方法
    • 焼成(カーボン化)炭素源として石油コークスやピッチを高温(1000~3000℃)で加熱し、炭素成分を析出させることで黒鉛の結晶構造を形成します。焼成中に、炭素材料が昇華したり、グラファイト層が積み重なったりして黒鉛の性質を持つ結晶が生成されます。
    • グラファイト化炭素源が特定の条件下で加熱されることにより、黒鉛の結晶構造が形成され、これが「人工黒鉛」となります。
    • 人工黒鉛の用途人工黒鉛は、以下のような多くの産業や技術分野で利用されています。
    • 電池の電極材料リチウムイオン電池や鉛蓄電池などの電池において、黒鉛は電極材料として使用されます。
    • 電気炉の材料高温で安定した性質を持つため、電気炉の中で使用されることが多いです。
    • 摩耗部品黒鉛の滑りやすい特性を活かして、摩耗に強い部品(例えばベアリング、シール、摩擦材など)にも利用されます。
    • 放電加工放電加工(EDM)や金属加工にも利用されることがあります。
    • 化学産業黒鉛は化学的に安定しているため、反応器や容器の材料としても使用されます。
このように、人工黒鉛は高性能な材料として、さまざまな用途で重要な役割を果たしています。

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天然黒鉛

天然黒鉛的特徴
  1. 結晶構造 天然黒鉛は、六角形の層状構造(グラファイト構造)を持っており、この層状の構造が特徴です。各層は炭素原子が六角形に結びついたネットワークで、隣接する層は非常に弱い力(ファンデルワールス力)で結びついています。このため、層と層が簡単に滑り、黒鉛は「滑りやすい」「すべり性が高い」特性を持っています。
  2. 電気的・熱的特性
    • 高い導電性黒鉛は非常に高い電気伝導性を持ち、電気回路の一部として利用されます。
    • 高い耐熱性高温にも耐えられるため、熱処理や高温環境で使用されることが多いです。
    • 化学的安定性酸やアルカリに対して安定しており、化学反応に強い特性を持っています。
  3. 物理的特性
    • 柔らかく、脆い黒鉛は柔らかくて摩擦に強いため、摩擦材や潤滑剤として使用されます。ただし、もろいので割れやすい面もあります。
    • 光沢がある天然黒鉛は金属的な光沢を持ち、黒色や銀灰色に見えます。
天然黒鉛の産地と種類
天然黒鉛は、主に以下の2種類に分類されます
  • フレーク黒鉛薄い層状で、比較的大きな結晶構造を持っています。主に鉱脈として採掘され、精製後にさまざまな用途に使われます。
  • アモルファス黒鉛層状構造を持たず、粒状の形態です。フレーク黒鉛に比べて純度は低いことが多いですが、安価で利用されます。
天然黒鉛の用途
天然黒鉛は多くの産業分野で使用されています。主な用途には次のようなものがあります
  • 電池の材料リチウムイオン電池や鉛蓄電池の電極材料として利用されます。
  • 潤滑剤黒鉛は優れた滑り性を持っており、高温や高圧の環境で使用される潤滑剤として広く使われます。
  • 電気機器高い導電性を活かして、電気機器の部品(電極や電気炉の材料)にも使用されます。
  • 耐熱材料高温環境に耐えられる特性を持つため、鉄鋼業などの高温設備にも利用されます。
  • 鉛筆の芯伝統的に鉛筆の芯にも使用されていますが、これは天然黒鉛に粘土を混ぜたものです。
天然黒鉛は、これらの特性と広範な用途により、非常に重要な材料とされています。

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リチウムイオン電池用アルミニウム箔

リチウムイオン電池用アルミニウム箔は、主に電池の負極(陰極)の集電体として使用される薄い金属箔です。アルミニウムは、リチウムイオン電池の陽極(正極)には使われませんが、負極の材料として非常に重要な役割を果たします。

  • 役割と特徴集電体: アルミニウム箔は、負極材料(例えば、リチウムコバルト酸化物やリチウム鉄リン酸塩など)を電気的に接続し、電池の内部で電流を集めて外部回路に供給します。
    軽量性と強度: アルミニウムは軽く、強度があり、長期間使用しても変形しにくい特性を持っています。これにより、電池の効率と信頼性を保つことができます。
    導電性: アルミニウムは良好な導電性を持っており、リチウムイオン電池の充放電の際に効率よく電流を流すことができます。
  • 性能向上 リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させるため、アルミニウム箔はしばしば特別なコーティングが施されることがあります。これにより、導電性や耐腐食性がさらに向上し、長寿命を実現するための性能が確保されます。
    このアルミニウム箔は、リチウムイオン電池の内部構造において非常に重要であり、電池の効率、寿命、性能に直接的な影響を与えます。

当社のリチウムイオン電池材料事業は、各製品群に最適化された製造技術と商業戦略によって支えられています。それぞれの製品に必要な高度な技術力を活かし、精緻な製造プロセスと厳格な品質管理を実現することで、企業の競争力を強化し、事業の持続的な成長に貢献しています。市場のニーズに柔軟に対応し、常に技術革新を追求することで、より優れた製品をお届けし続けます。

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